【インタビュー】雲南で働き、雲南で暮らす

今回お話を伺ったのは、公益財団法人うんなんコミュニテイ財団での実践型インターンシップに取り組んだ安島さん。インターンシップ期間中は活動内外でまちの人との出会いや繋がりがあったそう。インターン生として雲南で働くこと、雲南での暮らしについて伺いました。

今回インタビューした大学生

安島裕大さん
学校:国際基督教大学教養学部休学中
出身:埼玉県
持続可能なまちづくりというテーマに関心がある
休学しながらあちこちの事例について調べている

今回のインターンの概要

受入先 : 公益財団法人うんなんコミュニティ財団
テーマ : 環境問題解決に繋がる、日常生活に取り入れられる「小さなアクション」を応援する
実践期間: 令和5年 8月21日(月)~令和5年10月3日(月)※9/1-12リモート

【募集開始】市民の小さなアクションが地域課題を解決する!市民と一緒にごみ削減を推進する仲間募集!

環境課題へのアプローチで市民の挑戦を応援する 課題解決を行動に移せる機会を提供し、コミュニケーションを生み出すことで個々の活動へのつながりを育むことができます。…

※インターンの募集概要はこちらから

「お互いにプラスになる」を意識したインターンシップ

━━今回のインターンシップでどのような活動を行ったのか教えてください

1つ目は、環境講座の実施です。これまでは小学校区ごとで様々な組織が集まる地域自主組織ごとで実施していたことから、高齢者層へのアプローチはできている一方、若者層へはアプローチができていなかったそうです。そのため今回は若者向けに実施したいという思いが受け入れ先にありました。
どういう角度から実施したらいいかな?と考えながら生活をしていたら、三刀屋町や三刀屋高校について知る機会がありました。三刀屋高校は地域資源を活かした探究活動を行う高校魅力化についても積極的な高校です。また、三刀屋町にある株式会社CommunityCareが運営しているみとや世代間交流施設「ほほ笑み」にも出会いました。もっと地域に開かれた場づくりをしていきたいという思いをもった施設と連携して実施をすることで、様々な年代の人が地域と交流できるきっかけになるような環境講座を作りたいと思いました。
それ以外には、SPOBYという活動に取り組みました。SPOBYは徒歩での脱炭素量やコンポスト利用の脱炭素量がポイントになり、特典と交換できるというもの。そのSPOBYをどうやって知ってもらうかという方法を検討したりしましたね。

━━まずは環境講座について教えてください

これまでの環境講座は、行政担当者さんと一緒に雲南市の環境課題である「生ごみの焼却」について学ぶものでした。生ごみを焼却してしまうとエネルギーを使ってしまうため、コンポストを導入し土に還すことで生ごみの量を減らすことを目的に開講されていました。
自分が考えた環境講座は、もう少しゆるく環境問題を意識できたり、環境問題という視点からだけではなく自分の暮らしの身の回りから環境について考えるきっかけになったりするといいなと思いました。また環境問題だけじゃなく、新たな地域との繋がりを育んでもらえるような場とすることも考えていました。
ほほ笑みの担当者の方とは、まちのイベントで出会って意気投合し、そこで一緒にやってみたい!となりました。偶然の出会いから新しいことが生まれるのは雲南の魅力の1つだと思います。その方は食を通したイベントをしたいとおっしゃっていて、お互いにとってプラスとなる企画になるといいなと!最終的には、地域のおじいちゃんおばあちゃんと高校生が雲南の話をしながら「にしめ」などの郷土料理を作る企画を考えました。料理を作る過程で出た生ごみをコンポストに埋めてみることで日常の中で環境を意識すると同時に、それまで繋がることがなかった人同士が繋がる場となるような環境講座です。

━━SPOBYの運用アイデアはどのようなものを提案したのですか?

SPOBYは徒歩での脱炭素量やコンポスト利用の脱炭素量がポイントになり、特典と交換できるというものですが、これまでは特典が食べ物がほとんどでした。そこでリターンとして、コミュ財が支援している地域の活動に寄付されるとかもいいなと思い、提案しました。

雲南全体のインターンとして色々なことを体験

━━今回のインターンシップ期間で一番印象に残ってることはなんですか?

なんだろうな〜。いや、楽しかったところはいっぱいあったので一つに絞れないですね(笑)。大学生であるにも関わらず、出会う方が地域づくりのリアルなところを話してくれました。良いことも悪いところも含め、結構リアルに。あまりそういう仕事上のリアルな課題感って、東京にいる一学生として知ることってできないなと思いましたね。
あと面白かったのは、幅広く雑多に色々取り組ませていただけたところ。業務も多様だし、いろんな場所に連れて行っていただきました。インターンの担当をしてくださった方もコミュ財(公益財団法人うんなんコミュニティ財団)のインターンというより、雲南全体のインターンとして色々なことを体験してもらいたいと言ってくださっていて、雲南のいろんな人に繋がることができたのが個人的にはよかったです。

━━インターンシップの活動の中で難しかったところはありますか?

難しいところ・・・。難しいところ、なかった、あまりなかった気がします。
地域の方と話すのも、みなさんがいい感じに繋いでくださって。工夫してたところというと、なるべくいろんな会に参加するようにしてました!誘われたらなんでも付いて行ったり、活動と関係ないところでも地域の集まりに参加したり、地域の方がやっているイベントにも参加しましたね。もちろん飲みにいくことも(笑)
そういうのを通して地域の方と繋がれるし、こうして参加することでただひと時くるだけの学生ではないと認識してもらいたかったので。

雲南での暮らし

━━東京から、雲南市のインターンシップに参加しようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?

この休学期間は日本中をみてみようと思っていたんですが、夏休みは特にお仕事的に地域で活動できる場所を探していました。たまたま「コミュニティ財団」という活動に関心があり探していたら、今回のインターンを見つけました。島根も雲南も、全然よくわかっていなかったのですが、ひとまず行ってみよう!という感じで。

━━来る前の雲南市のイメージについて教えてください

そうですね。神話やたたら製鉄みたいな話とかはなんとなく知っていて、とんでもない秘境に行くような気持ちでした(笑)。かつて海士町に行ったことはあったし、いくつか島根で面白い地域づくりの取り組みがあると言うのはなんとなく知っていましたね。

━━実際に約2ヶ月間暮らしてみていかがでしたか?

雲南でも特に木次のまちになるんですけど、すごくよかったですね。木次だけではないと思うのですが、赤瓦で木造で商店街が残っていて、いい感じの裏道があるあの雰囲気が好きでした。結構、空き家とか見るのが好きなんです。「こんないい感じのところ空いてるじゃん!」とか「これどうやって使える?!」とかそんなことを考えることにワクワクしました。
あと、やっぱり人がすごく面白かったです。人が面白いのか、人と合う密度・可能性が高いからなのか、人というのはすごく印象に残りました。まず人との繋がりの速さが特徴的だなと思いましたね。三日市ラボ(活動拠点)にいると人が続々と来るんです。そうすると、作ってもらった名刺がすぐになくなります(笑)。しかもその会う人たちがいろんな人なんですよね。移住者だったり、同じようなインターン生や、根っからの地域住民さんとか。とにかく出会うスピードが早い。多様な人との出会いが多いコミュ財で活動できたのは、ラッキーでしたね。
あとアルバイトもしていました。地域の旅館さんで朝の食事出しとお掃除。そういうところで普段は出会えない人と出会えたのも面白かったです。そこの旅館のご夫婦がめちゃくちゃ素敵でした。​​食事会をしたり、帰りがけにはプレゼントを渡してくれたり。温かな気持ちになりましたね。

雲南には自分の想像を超えた経験や出会いがある

━━今回の活動と自分の今後

仕事、みたいなところで言うと、企業の中でしっかり活動させてもらえる経験はなかったので今回の経験はよかったです。当たり前のことだけど、相談事項はなるべく早い段階で共有しておくとか、組織の中でどう振る舞う必要があるかを学ぶことができました。それが自信にも繋がりましたね。複数人とコラボレートするときのポイントを得ることができました。雲南との関わりは、これでおしまいにしたくなくて、なんらかの形で関わり続けたいですね。

━━これから参加する人にメッセージ

自分は期間としては2ヶ月くらい参加しました。長期のインターンって不安なこともあると思うんですよね。でもその期間やるからこそ見えること、できる繋がりがあるのでレアなインターンだと思います。騙されたと思って飛び込んでみると、自分の想像を超えた経験や出会いがあります。自分の想像を超える、いい意味で裏切られるという経験が大切だと思っているので、雲南は飛び込む価値あり!です。ぜひ皆さんにもおすすめします。