【インタビュー】仮説と検証を貪欲に繰り返す
今回お話を伺ったのは、株式会社Community Careでのまちまるごとインターンシップに取り組んだ石井さんと日野さん。仮説と検証を繰り返し、効果にこだわったインターンシップでの活動について伺いました。
今回インタビューした学生
●石井大貴さん(写真右)
大学:島根県立大学人間文化学部地域文化学科2年
出身:愛知県
雲南市の好きなところ:良い意味でコミュニティが狭くて距離が近いところ
●日野葉月さん(写真左)
大学:島根大学医学部看護学科3年
出身:雲南市加茂町
雲南市の好きなところ:山や川に囲まれてなにもないところが好き
主なミッション
受け入れ先:株式会社Community Care
テーマ :歴史ある地域の旧書店を、中学生・高校生たちが集う場へ。地域密着型プロデューサーを募集!
受入期間 :令和6年 2月26日(月)~令和6年3月26日(火)
闇雲な状況を打開したのは
ーはじめに、インターンシップ先について教えていただけますか?
日野)株式会社Community Care(通称:コミケア)さんでは、「暮らしの中にケアを届ける」をコンセプトに、訪問看護や訪問リハビリの事業を展開されています。その他にも、世代を越えたたくさんの交流が生まれる場所を目指すみとや世代間交流施設「ほほ笑み」(以下、「ほほ笑み」)の運営も行っています。活動を通して看護の学生として感じたことは、とてもアットホームな会社だなと。
石井)僕は看護のことはわからないまま飛び込んだのですが、みなさんすっごく仲が良くて。コミケアさんのいいところだなと思います。
ーどんなミッションに取り組んだのですか?
石井さん)コミケアさんが運営しているほほ笑みを、中高生にもっと活用してもらうための活動をしました。ほほ笑みというのは元々書店だったところを、高齢者のサロンなど地域の方にご活用いただいているのですが、中高生にも出入りしてもらいたいということで今回のミッションになりました。
日野)できたばかりの施設で綺麗だし、木造であたたかい雰囲気なのでもっといろんな人に使ってほしいなと思います。机や椅子があって、壁一面の本棚もあるんです!
石井)そうですね、いろんな活用ができる可能性を感じる場所です。
ーありがとうございます。それでは活動内容について教えてください。
日野)どこから言えばいいかなという感じなのですが、笑
まずは、ほほ笑みの紹介チラシを作って、高校生が集まるバスセンターや郵便局の近くに貼ってもらうようにしました。だけどそれだけではほほ笑みの認知度はほとんど上がらなくて。その場所で高校生たちにヒアリングしたら「ほほ笑みは知らない」とか「チラシが貼ってあるのをみていない」という回答ばかりだったんです。
ー活動をする上で難しかったこと、工夫したことはありますか?
石井)チラシを作る上で、ほほ笑みの魅力が最大限に伝わるように、どの情報をどこに載せるかなどを工夫しました。受け入れ先の方に、何事も目的を考えるように助言してもらったのが工夫のきっかけです。
日野)バスセンターでチラシを配る時に、人がそもそもいなかったり、声をかけたら無視されたり、それが大変でした。勇気が出ないこともあったのですが、中にはちゃんと答えてくれる高校生もいたので、その方の声を大切にしながら取り組みました。
石井)確かに。無視されるのは、きつかったです。心が何度も折れたんですけど、自分たちがミッションに取り組む上で絶対に欠かせないことだと思ったので頑張れました。
日野)チラシの作成以外には、夜の時間にほほ笑みの解放をしました。毎日ではなかったですが、20時くらいまで解放するようにして、中高生の生活時間に合わせて活動していました。午前中はほほ笑みにいなくて、上の事務所で2人で作戦会議をしていた感じですね。
石井)お昼の時間は、日野さんも僕もお弁当を作って食べていました。コミケアの職員さんもお弁当を持って来られていたので作ってこよ〜みたいな感じです。職員さんと一緒にわいわい喋りながら食べました!
ー素敵なお昼の時間を過ごされていたのですね!インターンシップではかなり仮説検証している印象がありましたが、そこに至ったきっかけはありますか?
日野)担当の方に課題に対して闇雲に取り組むのではなく、仮説検証が大切だよと言われたのでやるようにしました。
石井)このアドバイスは2週目くらいで伝えてもらいました。二人とも問題点をあげるだけあげていたのですが、それに対してどうやっていけばいいかのかという順序立てができていなくて。そんな時にこのアドバイスをいただきましたね。
日野)悩んでいた時は、何が効果的で効果的ではないのかがわからない状態というのは、もったいないなと感じてました。頭の中も整理しながら活動できるなと感じたので、アドバイスいただいたことに取り組んでみることにしました。
教科書以外の学びを大切に
ーインターンに参加した動機について聞かせてください。
日野)元々地域看護に興味があって保健師になりたくて医大に入ったんです。訪問看護をしている会社が地域事業に取り組んでいるというところに関心を持ちました。保健師は病気のあるなしや年齢に関わらず全ての人の健康を扱います。一方で看護師は基本的に病気を持っている人に対して看護するという違いがあるんです。自分の育ってきた島根の人たちを幸せにしたいなと思った時に、幸せでいるためにまず大切なのは元気でいること、健康であることだなと思って。それで保健師を目指し始めました。
石井)僕は、雲南市主催のU.C.Cに関心があり、説明会に参加したらインターンの募集を知りました。僕はキャリア教育に興味があったので、コミケアさんの募集テーマである「中高生を対象にした居場所づくり」というミッションに関心を持ちました。
ーどんな目標を持って参加したんですか?
石井)中高生の感じていることを自分の肌感で知る機会にしたいと思っていました。また、そこで感じたことを活かして、自分自身がほほ笑みでイベントもできたらなと思って参加しました。
日野)私は、教科書でしか学んでいなかった地域看護について、実際に地域に出ることでもっと学びを深めようという目標にしました。
ー1ヶ月前と比べて、変化したことはありますか?
日野)この1ヶ月ずっと言い続けたのが「自分の考えを言うことが苦手」ということでした。今こうしてインタビューを受けて自分の考えを言葉にできているということは、少しは成長できたのかなと思います。
石井)僕は目的や意図を考えずに物事をやってしまうことが多くて。でも仮説検証の過程で、もう少し目的や意図を持って考えるようになりました。それは受け入れ担当の方に「どうしてそう思うの」「何を目的にしているの」と聞いていただいたからこそ身についたんだと思いますね。
日野)とにかく、受け入れ担当の方がちゃんと向き合ってくださいました。朝と夕方に必ず振り返りの時間をとってくださったので、それが成長に繋がった気がします。
石井)僕もそう思いますね。その方も僕達に悩みながら関わってくださったんだろうなと思います。学びが多かったと思います。イベントが終わるたびに色々引き出してくれることが本当にありがたかったです。
ー素敵ですね。受け入れ先の方との関係性の深さが伝わってきます。今後挑戦していきたいことについて教えてください。
日野)私は今休学中なんです。復学したら学校が忙しくなるので今回みたいな挑戦はできなくなるのですが、教科書以外での学びを大切にしたいと思います。これから実習も始まるので、自分が体験したことをちゃんと学びに変えていきたいです。
石井)日野さんがすごく素敵なことを言ってますね。僕はどうしよう(笑)
キャリアコンサルタントの試験に受かることと、大学祭を成功させること。でもこれはインターンに参加する前から決めていたことです。この1ヶ月で考えが変わったことは、今以上にもっとキャリア教育にどっぷり浸かる期間をとってみたいと思えたことですね。
やってみるというその一歩
ー最後に今後雲南でインターンをしたいと考えている学生に向けてメッセージをお願いします。
日野)最初は怖いし不安だと思うんです。知っている場所だとはいえ行ったことがない会社に1ヶ月もいくのは不安だし、課されたミッションにも取り組めるのかとか色々考ちゃって不安だと思います。だけど行けば不安は消えます。興味を持ったのなら一歩踏み出して欲しいなと思います。
石井)いいこと言うなー(笑)
結局は自分のためにインターンをすることになるけれど、やってみるというその一歩が周りの関係者の一歩につながると感じました。インターン生同士も双方に刺激を与えられたし、自分達の発言や行動が地域の方にも影響があると思います。一歩踏み出しただけでもチャレンジとして成功だと思います!