【インタビュー】視野を広げて縁をつなぐ

今回お話を伺ったのは、 三刀屋地区まちづくり協議会でU.C.Cintern(まちまるごとインターンシップ)に取り組んだお二人。本文でご紹介する「U.C.C camp」「U.C.C zemi」を経て、インターンシップに挑戦した二人の雲南との縁と学びについて伺いました。

今回インタビューした学生

(写真前列左)
トモキさん
大学:岐阜県の大学に通う2年生
出身:大阪府
雲南市の好きなところ:心や場所に「ゆとり」があるところ

(写真前列中央)
マルさん
大学:島根県の大学に通う4年生
出身:長崎県
雲南市の好きなところ:行動力と決断力があるところ

ミッションと受入先紹介

受け入れ先:三刀屋地区まちづくり協議会
テーマ  :地域の暮らしに寄り添い、地域の資源を発掘する、三刀屋地区の盛り上げ隊募集!
受入期間 :令和6年8月~9月

【募集終了】2024年度前期U.C.Cまちまるごとインターンシップ

“まちまるごとインターンシップ”は、雲南市主催の雲南コミュニティキャンパス(U.C.C)の一環で実施するプロジェクトです。雲南コミュニティキャンパス(U.C.C)は、日本…

島根に恩返しをしたい

ーインターンシップに参加したきっかけを教えてください

トモキ)雲南コミュニティキャンパス(U.C.C)の他のプログラム「U.C.C camp」と「U.C.C Zemi」に昨年挑戦していたので、次はインターンシップに挑戦しようと思ったのがきっかけです。元々、行政系に興味があって、直前に地元(大阪府枚方市)の市役所でインターンシップをしていました。なので、今回は市役所ではない団体にしたく、雲南市の取り組みで注目されている地域自主組織の一つである三刀屋地区まちづくり協議会さんを選びました。

マル)僕も夏に「U.C.C Camp」と「U.C.C Zemi」に挑戦している中で、インターンシップについて知り、挑戦することにしました。
大学進学とともに長崎から島根にきて4年が経ち、来春には卒業なので学生最後の残された時間に何か島根で恩返しができたら、というのが応募の動機です。三刀屋地区まちづくり協議会さんを選んだのも、地域に貢献することで、自分を育ててくれた雲南市に恩返しができそうだと思ったからです。

ーインターンシップではどんなことしましたか

トモキ)僕は三刀屋交流センターにある図書スペースを活用し、『図書スペース“ひなたぼっこ”で地域住民の交流を生み出す』ことを目標に、紙芝居会の企画・実施をしました。
普段の活動では、週1回の体操イベントと高齢者サロンに参加し、あとはSNSの広報にも力をいれました。三刀屋地区まちづくり協議会のスタッフだけではSNSまで手が回らないという課題があったので、noteやInstagram、Facebookを使って、三刀屋地区まちづくり協議会の活動について多く方に知っていただけるよう、なるべく頻度の高い情報発信を心掛けました。

マル)僕も普段の活動は、トモキと一緒に週1回の体操イベントと高齢者サロンに参加しました。
それ以外の時間はメインの活動にあてて、「永井隆」×「観光」をテーマに取り組みました。僕は長崎出身で島根で就職するのですが、永井隆さんは逆に島根県雲南市三刀屋町出身で長崎で活躍した方なので何か特別な縁を感じていて。U.C.CZemiでも永井隆さんをテーマにしていて、インターンシップでも永井隆さんに関連することをやりたく、就職先が観光業なので「永井隆」×「観光」をメインの活動のテーマにしました。

縁がつないだ思わぬ成果

ー今回のインターンシップで一番印象的だったことをおしえてください

トモキ)やっぱり紙芝居会ですね。
紙芝居会は全4回の開催日を設けて企画し、SNSで広報したり、チラシを配布したりしたんですが、4回ともすべて参加者がゼロだったんです。
広報が行き届かなかったのか、平日っていう時間設定が悪かったのか…。
どうしようか悩んでいたところに、突然三刀屋の放課後児童クラブの先生からご連絡があって、「ぜひうちで紙芝居やってくれませんか」って言ってくださったんです。
そもそもの自分の目的は『「ひなたぼっこ」で地域交流を生み出す』で、「ひなたぼっこ」に訪れるきっかけ作りとして紙芝居会を企画していました。放課後児童クラブに出張だと直接的にひなたぼっこの利用に繋がらないからどうしようかな、と思ったけど、せっかく地域でつながったご縁なのでやってみることにしました。
当日決まったため準備不足な部分もあったのですが、想像をはるかに超える盛りあがりをみせ大盛況な会となりました。狙い通りの形ではなかったですが、思いもよらない「縁」があって、また違った形で交流の場を設けることができたので、これはこれで企画した意味があったのかなと、いい経験になりました。

長崎と三刀屋をつなぐ縁の形

ーマルさんはどんなことが印象に残っていますか

マル)永井隆さんに関するリーフレット作成に取り組んだのですが、一番苦しかったのはリーフレットの作成をする、と決めるまでですね。
テーマはすぐに決まったものの実現方法でものすごく難航しました。三刀屋城址など、三刀屋の史跡をフィールドワークで廻ったり、永井隆さんに関する知識を深めていったものの、なかなかこれだ!っていうのが見えてこなくて。最初は平和に関する内容かなと漠然と考えていたんですが、内容やターゲット層など、考えれば考えるほどわけがわからなくなってしまったんです。

ーどういうきっかけで決まったんですか

三刀屋地区まちづくり協議会さんとインターンシップの中間振り返りを行った時に、そもそも永井隆さんついて知らない人が多いんじゃないかって話がでて。確かによくよく考えると自分も永井隆さんは教科書で学んだぐらいしか知らなかったし、雲南市とつながりがあることも全然知らなかったんですよね。長崎県には自分と同じ人がいるだろうから、もっと多くの方に永井隆さんを知ってもらうリーフレットを作って、永井隆さんを通して長崎と島根の縁をつなげることに決めました。ちなみに一番楽しかったのはまち探検です。三刀屋地区まちづくり協議会の方が車を出してくださって、三刀屋のまちや史跡を見ながら、歴史を教えてくださったのが一番思い出に残っています!

経験こそが成長の鍵

ー今回のインターンシップで自身が一番成長したところはどこですか

マル)いっぱいありすぎて・・・なんだろうなぁ・・・・

ートモキさんから見て、マルさんはどこが一番変わったと思いますか?

トモキ)相談できるようになったことかな。

マル)確かに!人に伝えるのが苦手で、一人で抱え込んでしまったり、自分でやらなきゃって過剰に責任を感じてしまうところがあったんですが、人に相談してみよう、と思えるようになりました。
あとはプレゼンですね。U.C.C campの時は緊張しすぎて全然自分の想いを伝えられなかったんですが、U.C.C zemiでプレゼンを学んで、今回インターンシップの最終報告会のプレゼンはしっかり自分の力が出せるようになりました。プレゼン資料も最初は本当にダメダメでしたが、だんだん人からアドバイスをもらって直していくうちに、1回のアドバイスで、あぁ、こう書けばいいんだってすぐつかめるようになってきて、完成度もだいぶ上がりました。

ー今度は逆に、マルさんから見て、トモキさんさんはどこが一番変わったと思いますか?

マル)話せるようになったことかな。最初はあんまり話せなかったけど、すごく変わったと思います。

トモキ)「話すこと」はすごく意識しました。サロンや体操では高齢者の方がたくさん話しかけてくださるのに、自分からうまくかえせなくて、会話が弾まないんですよね。今まで話す機会が少ない年代の方だったのもあり、何を話したらいいかわからなくて。でも回数をこなしていくうちにだんだん関係性の取り方が分かってきて、最後の方は会話が盛り上がるようになりました。地域の方だけじゃなくて、インターンシップ生ともコミュニケーションの取り方も成長したと思います。コミュニケーションの機会を多く積んだからこそ、コミュニケーションが成長できたと思います。

ローカルが生み出す価値

ー雲南市での暮らしはいかがでしたか

トモキ)暮らしやすかったです。特に、個人経営のロ-カルなお店が多いのがいいなと思いました。〇〇のおにぎりはおすすめだよ、とか、そういう話が色んなところから聞こえてくるんですよね。自分が住んでいるところはチェーン店が多いせいか、あんまりそういう会話にならないんですよね。ローカルなお店だからこそ生まれるコミュニケーションがあるんだという発見でした。

マル)木次の昔にタイムスリップしたような雰囲気が好きです。トモキが言う通り、ローカルの店が多く、地域の方と深く関わることが多かったなっていう印象があります。それに加え、スーパーもあって、閉店時間は少し早いですが買い物も不便しなかったですね。

トモキ)確かに。普段だとコンビニが空いているからいいや、ってなるんですが、住んでいる場所からコンビニまで少し距離もあって、スーパーが20時で閉店するから、焦って買い物に行ったりとかもありました。逆に新鮮でしたね。

視野を広げることは人生の財産

ー最後に今後雲南市でインターンシップをしたいと考えている学生に向けてメッセージをお願いします

マル)迷ったらインターンシップに行った方がいい!です。
やっぱり飛び込むことがすごく大事で、飛び込むことで勇気が出ます。飛び込んだ結果、違った視点が見れます。自分の固執した考えに気づくこともできます。こっちの方が面白そうだから行ってみよう!みたいな感じでフットワークが軽くなります。特にこのインターンシップは、働いている人の様子がわかるだけではなく、いろんな人と出会うことができます。将来やってみたい仕事について気付きを得られることもあるので、インターンシップは絶対に行った方がいいと思います。

トモキ)僕は一番初めに参加したU.C.Cのイベント(U.C.CCamp)の最後のアクションプラン発表でテーマを「視野を広げる」にしたんです。
マルくんの話を聞きながら、そうか、インターンシップに行く意味って、結局それだなって思いました。
僕は大学2年だからか大学の友達でインターンシップに行く人って本当に少ないんですよ。インターンシップに行くとしても、就職直結で考えている人が多くて、こういう地域でのキャリア形成プログラムやインターンシップを通して学びがあるものに行く人なんて全然いなくて。
もちろん知らない土地だし、長期だし、心細いのはあると思う。でも行ってみたら視野は広がるし、いろんな人に出会って、自分が今まで知らなかった世界を知れる。それって、直接的な効果がなくても、今後の人生にとってすごい貴重な経験であり学びだと思うんです。だから、選択肢と視野を広げるためにもインターンシップは絶対行った方がいいと思います。