直撃レポート!「中山間フィールド演習」を終えて

雲南コミュニティキャンパス(以下U.C.C)は、その名の通り雲南市全体を学びの場として、様々な取組を実施している。その一つとして、86日〜12日に、島根県雲南市大東町にある島根大学雲南フィールドステーション(以下FS)で島根大学生7人(1回生2人、2回生5人)が中山間地域フィールド演習を行なった。

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島根大学雲南フィールドステーション

中山間地域フィールド演習の取組

中山間地域フィールド演習とは、グループ単位での活動を主としたフィールドワークを中心に実施する島根大学の教養育成科目の一つだ。大学生が地域の方々と交流し、特徴や課題、その解決策の提案・実践を行っていくことで、地域の未来を自ら切り拓くための力を身につけることを目的とする。
雲南市に詳しく、すでに実践を行っている方々からお話を伺い、まず地域の現状や課題について理解を深める。そのあとは、フィールドワークを通じて感じとった大学生ならではの視点や価値観から見えてくる「イイトコ」を参加者同士で共有。共有した内容をもとに、最終報告会にて、地域の「イイトコ」を生かした課題の解決方法を提案していく。
演習6日目、中山間地域フィールド演習の報告会をFS近くの駅前公民館で行われた。報告会は2部構成で開かれ、1部は地域の「イイトコ」を活かした地域運営の提案を、2部ではサテライトキャンパスであるFSの活用方法について報告した。

演習に参加した学生の声

※参加者の名前はニックネームで記載しています
この演習を通して、印象に残った事や難しかった事はありますか?

◆なおみょん
・島根大学教育学部1年
・兵庫県姫路市出身
・地域おこしなどに興味があり、自分自身島根のことを知って、好きになりたいと思った。

A.街を散策中、地域の方に良いところを聞いて回った際に、ある高齢者の方が、わざわざ私たちを追いかけて質問事項に答えてくださって嬉しかったです。印象に残ったこととしたら、毎日よかったなと思うところを付せんに書くっていうのがあるんですけど、そういうことをしたことがなくて、とりあえず地元を好きになるには地元の人と関わるのしか思ってなかったので、最初15個もいいこと書けないと思ってたんですけど(笑)そこがそういういい捉え方があるんだとか、課題見つけるにあたってもいいところから知ろうという価値観がすごいいいなと思いました。難しかったこととしたら、やっぱり地域の方とコミュニケーションであったりとか、自分自身興味のあることは聞けるんですけど、興味がなかったら何を質問していいのかとかそこがちょっと難しかったですね(笑)。

◆みーちゃん
・島根大学人間科学部2年
・香川県高松市出身
・以前にも雲南市でプロジェクトに取り組んでまたやってみたいと思った。

A.
印象に残ったことはどなたの話を聞いてもめちゃくちゃ地元愛とかご自身が取り組んでおられる活動に対する熱意とかそういうものをすごく感じて、熱心に取り組んでおられる姿勢っていうのがすごく印象に残ってます。古代鉄歌謡館への実際の訪問では、地域や伝統文化に触れられた気がしました。難しいところは、課題解決の提案っていう点では難しくて。トロッコ列車とかだったら、めちゃくちゃ魅力的だけど、廃止とかもう決まっちゃってるんじゃ何もできない。あとは、会長さんにお話を聞いた時に私たちは一週間だけ授業に来て、それで帰るっていうので、継続できないから私たちは勉強になっても地域にとったらメリットがあまりないのかなっていうところが難しいというか、申し訳なさというか無力感を感じた部分ではありました。


━自分自身変化したと思うことはありますか?
◆つかもっちゃん
・島根大学法文学部1年
・兵庫県赤穂市出身
・地域活性化に興味があったから。

A.演習の最初のほうは、地域の方からのお話を聞く際「へー、」というだけで終わっていたが、次第に「それはどういうことですか?」と自ら進んで地域の方に聞くことが出来ました。

◆まみちゃん
・島根大学人間科学部2年
・鳥取県米子市出身
・学んだことを自分の住む街に持ち帰り、活用したい。

A.自分の気持ちを素直に伝えられるようになったことです。みんな不安に思っていることとか、考えを素直に伝えることが大切だと改めて気づきました。


━この記事を見た人に伝えたいことはありますか?

◆エン
・島根大学生物資源科学部2年
・中国山東省出身
・フィールドワークの体験や問題解決学習に興味があったから。

A.とりあえず体験してみることです。自分もチームでの活動があまり得意ではなかったですが、実際体験してみることで色々なことが吸収でき、自分の成長にもつながりました。ぜひ参加してほしいです。

◆ヒツジ
・島根大学法文学部2年
・中国遼寧省出身
・フィールドワークの体験をしたい。

A.私達の今の課題でもあるように、地域の組織に関する我が物顔が少ないのでもっと自分事として捉える人が増えるといいです。学生達が地域の活動にもっと協力すると良いです。沢山良いイベントがあるけど、続ける人がいないのでもったいないなあと思います。継続が凄く重要だと思う。それを応援しましょう!続けましょう!という気持ちを伝えたいです。

演習の様子

1日目 8/6(金)
・オリエンテーション
・意見交換・ヒアリング(春殖地区振興協議会)
・オンライン七夕祭り


2日目 8/7(土)
・意見交換、ヒアリング
(赤川ほたる保存会会長 松田勉様)
(塩田交流センター主事 内藤伸夫様)


3日目 8/8(日)
・意見交換、ヒアリング
(古代鉄歌謡館館長 高橋勲様)

(雲南市遺族会会長 難波幸夫様)

自由時間(散策)


4日目 8/9(月)
・意見交換、ヒアリング
(地域運動指導員 藤原陽子様、細川美佐江様)

(雲南市観光ガイド 上代昇様)

(一般社団法人みかた麹杜舎 佐佐木瑠美子様)


5日目 8/10(火)
・意見交換、ヒアリング(大東自治振興協議会)

・報
告会準備


6日目 8/11(水)
報告会


7日目 8/12(木)
振り返り

取材者の一言

取材を通して地域の方、そして参加学生の地域課題解決に対する熱意や地域愛を感じた。また、大学の授業だけでは学べない地域の現状を実際の現場で学べたことは大きな経験になるであろう。今後地域活動に積極的に取り組み、継続していく若者が増えていって欲しい。(取材・編集:UCC事務局インターン生一同