【インタビュー】不安に気付く前に進んでしまえばいい
今回お話をうかがったのは、里の木兎のインターンシップに取り組んだ大学生。キャンプ場だけでなく、地域全体を盛り上げるマーケターとして取り組んだチャレンジについて伺いました。
今回インタビューした学生
みさきさん
大学:東京都の大学に通う大学1年生
出身:東京都
雲南市の好きなところ:満点の星空が見れるところ、世代や出身などの垣根を超えて優しくせってしてくださる温かい人が多いところ。
ミッションと受入先紹介
受け入れ先:里の木兎
テーマ :キャンプ場“かみくの桃源郷”を中心に人口約500人の地区を盛り上げる仲間募集!
受入期間 :令和6年8月~9月
不安より好奇心が勝るうちに動く
ーインターンシップに参加したきっかけを教えてください
中高生時代、本来、自分の好きなことを見つけるための活動時間がコロナ禍と重なってしまって何もできなかったので、大学生になった今こそ、これまでにできなかったアクティビティ的な体験がしたいなと思って。漠然と、どこか田舎で、せっかくなら田舎らしいフィールドを使った活動がいいなと思っていたら「かみくの桃源郷」というキャンプ場でのインターンシップを見つけてこれだ!って応募しました。もちろん不安もありましたけど、不安より好奇心が勝ってるうちに申し込んでしまって、あとから不安が出てきた感じです。もう申し込んじゃったし、ってある意味自分を追い込んで、行かなきゃいけない状況にしました(笑)
地図を没入感の入口に
ーインターンシップではどんなことしましたか
インターンシップを開始したのがお盆休み直前で、桃源郷は一番の繁忙期でした。インターンシップ期間に具体的にどう取り組んでいくか考える前に、まずは受け入れ先の状況を把握するべく売店のお手伝いから始めました。スタッフの皆さんは大忙しで走り回ってるし、私は売店でソフトクリームをひたすら作っていました。家族連れが多くて、10人くらいお子さんの行列ができてしまったときは、うわぁって思いましたが、みんなすごく美味しそうにソフトクリームを食べていてとても嬉しかったです。
他には、シーツを畳んだりコテージの掃除をしたり宿泊施設の管理をしました。大変ではありましたけど、繁忙期の現場を体験できたのは貴重な経験でした。
繁忙期が過ぎた後は、久野交流センターなど地域の方々にご挨拶せていただいて、そこからはインターンシップでの自分の活動を進めることになりました。私はリニューアルされる新しいパンフレットのデザインや、パンフレットに使う地図の作成、ホームページの更新を行いました。
ーパンフレット作成で一番こだわったポイントはどこですか
パンフレットにのせる地図のリニューアルを任されたのですが、地図のデザインをゲームっぽい「ドット絵」にしたことです。
ただの地図ではなく「もっと探索してみよう」って積極的に動きまわったり、普段踏み入れない場所に行きたくなるような地図にしたいと思って制作しました。デザインをロールプレイングゲームで使う地図のような「ドット絵」にすることで、地図を手にしただけでゲームの世界に入ったような没入感を味わい、探索をするワクワク感を感じれるようにしたことが一番こだわったポイントです。
多角的な視野や学びを得られた
ーインターンシップで印象に残っていることを教えてください
管理棟で作業をしているときに、舩木さん(桃源郷管理人)を訪ねてこられるいろんな方とお会いしたことです。それぞれの生き方や働き方を生で聞けて自分のこれからの人生設計にかなり大きな影響を与えたと思います。新しくゲストハウス始められる方が、そこに至るまでの色々な過程をお話してくださって、日本一周した体験にそういう生き方もあるんだと衝撃をうけました。
繁忙期が過ぎてからは管理棟で舩木さんとお話しする時間も増えて、それこそいろんなことを話したり悩み事を相談させていただきました。インターンシップの話だけじゃなく、これからどうしようか悩んでますとか。自分ではマイナスに思ってることでも話してみたら、「いや、それはいいことなんじゃないかな」ってアドバイスをしてくださって「なんでも切り口を変えればプラスに捉えられる」っていうのも、すごく印象に残っている学びでした。そういう1つ1つが心に残っていて、そこからの学びがたくさんあって、それだけでもインターンシップで学べたことだし、来てよかったと感じる面でもありました。
不便だからこその気づき
ー雲南市での暮らしはいかがでしたか
初めてのインターン生との共同生活は、今まで経験したことがなくて、同年代と一緒に過すのはとても貴重な経験でした。みんな素敵な子ばっかりで、本当に過ごしやすかったです。お休みの日にはみんなで遊びに行ったりもしました。
私は車の免許を持っていなかったので、やっぱりちょっと不便な面もありました。でも、知り合った地域の方にお願いしたり、お誘いいただいて連れて行ってもらったり、そういうのを通して関係が深まっていく面もあって、関係値を築けるのはいいなと思いました。
今までだったら「連れていってあげるよ」って言われても、「あ、大丈夫です」ってお断りしてたと思うんです。それを生かしてコミュニケーションしていこうっていう勇気がでなくて。もともと内向的でコミュニケーションに対してネガティブな感情を抱きがちだったのもあるんですけど。そういうのを払拭できて、自分もコミュニケーションを取ってみようっていう気持ちを持つことができたのは大きな変化ですね。
ーどうして踏み出せるようになったんですか
活動の一環でどろんこバレーのお手伝いさせてもらって、その打ち上げで初めてお会いした方が、「明日、湯村温泉の漆仁の湯に連れてってあげるよ」っておっしゃってくださったんです。今日知り合ったばかりなのにって思ったんですけど、実際行ってみると道中たくさんお話をさせていただいて、温泉もすごい良くて。頼るのがいいってわけじゃないですけど、その人を知ることができ、自分もコミュニケーションを学んでいくこともできたし、これが踏み出すきっかけでした。
今回、頼ることでたくさんの方と仲良くなるという経験ができたので、そういうのは田舎だからとか関係なく東京に帰っても、人との関係の作り方として生かしていきたいなと思います。
半強制的に自分を追い込む
ー最後に今後雲南市でインターンシップをしたいと考えている学生に向けてメッセージをお願いします
不安に思う前にとりあえず申し込むとか、お話だけでも聞き始めるとか、自分でそういう姿勢を作ることが大切だと思います。
わざわざ県外に出てインターンシップする良さって、自分はそのコミュニティにとってどうしても最初は部外者になるので、だからこそコミュニケーションしなきゃいけなくなることだと思います。半分強制ではありますけど、自分が全く分からない位置に飛び込むことで得られるものって、普通のインターンでは得られないものだから。
何よりその地域に知り合いができて、また1つ将来の選択肢が増える、たとえばやっぱり雲南良かったから雲南で仕事探してみようとか、そういう選択肢を広げるのにつながると思っていて、そういうのは今しかできないと思います。